TE-DOKさんの構造・接合部検査~施工は羽根建築工房さんです。
前回の奈良県生駒郡平群町Ms日記はこちら
現在、奈良県生駒郡平群町まで、毎週、改修住宅の現場監理に通っています。気候地域区分でいえば、関西は6地域ですが、なんとこの平群町はスポット的に4地域(※11/16の法改正で5地域に改正されました。) ということで、これから完成引き渡しの1月末まで、ぐんぐん寒くなっていくことでしょう。
現時点では、先月半ばの「構造・接合部検査」を経て、構造補強が終わり、断熱工事、そして内部造作工事と、着々と工事は進行しています。
現場は、いつもとてもきれいで、現場に入るたびに「綺麗にしているね。」と言うのが私の口癖です。
それは、この現場の棟梁、入江さんがとても綺麗好きだからなのでしょう。道具を置く、市松模様のキャスター付きの棚も、工夫を凝らしていて味があります。
そんな現場に、岐阜からやってきた 構造事務所TE-DOK(テドック)の河本さんと田畑君。この改修住宅の構造担当です。
シマシマのTシャツ姿の河本さん。 「構造・接合部検査」は先月の半ばに行ったので、まだ薄着ですね。
TE-DOKの河本さんは、Msで意匠設計も学び、その後、岐阜県立森林文化アカデミーと協力して構造実験などを行い、構造金物や構造面材、工法などの開発のサポートをする、岐阜のNPO、WOOD-ACで活躍していて、私とは長い付き合いです。
早速、大工さんとともに、接合部個所を一つ一つ、確認しています。
河本さんの向こうで、大工さんに説明をしているのが、この建物の構造担当の若手・田畑君。(田畑君は岐阜県立森林文化アカデミーの教え子なのでどうしても君付けに・・・)
このように検査の際には、ボスが同行して、しっかり指示出しをしてくれます。
この現場では、基礎と柱の緊結をするホールダウン金物を、内側に三角柱の補強基礎を設け対処しました。現場で監督さんや大工さんと話し合いながら私が提案して方法を、田畑君が構造計算をして裏付けをとってくれています。
上部構造である軸組は、柱や梁の補強をしたうえで、それぞれの部材である柱や梁がバラにならないように、全て金物補強をします。自分が設計した新築の軸組では、考えられない金物の使い方ですが、改修は、「つくるというより、治す」ことなので、ここは考え方をがらりと変えなければなりません。
既存の軸組で取り付けられていた「鎹(カスガイ)」(上の写真)については、すべて外してもらいましたが、そんな時には、「子は鎹。という諺があるけど、こどもがいても離婚するときはするし、鎹なんて、そんなに強いものではないからね。」と大工さんと笑って話をします。
上の写真では、右端、田畑君の説明に、真剣な表情の大工・佐保田さん(羽根建築工房)その左横は羽根建築工房・監督の和田洋明さん。そして左端が、Ms担当の宮本岳拓君です。
若手が現場テーブルを囲んで真剣に話し合っているのを後ろから見守る入江棟梁。
こんな様子をみて、「羽根さんの大工衆と仕事ができてうれしいな。」といつも感じるのです。
三澤文子