皆さん、こんにちは。梅雨の長雨と高温の日々が続きますが、いかがお過ごしですか。
今回のエムズ日記は、非常勤スタッフの鈴木が丸亀の家の改修についてお話します。この家は、香川県丸亀市に在り、昭和3年に建築されて、築96年になります。祖母から引き継いだ後、昨年8月から耐震と断熱の性能向上改修を計画し進めてきました。
(前回の日記はこちらからお読みいただけます)
無事、令和6年6月6日に清祓い式を迎えることができました。ご祈祷は、祖母が生前よくお参りをした、近くの会下天満神社の曽坂宮司にお願いしました。祖父母、伯母、母が長い間、暮らさせてもらった家に感謝の気持ちで一杯になりました。
その翌週の6月10日から足場が掛かり、解体工事が始まりました。
まず、傷んでいない既存の瓦を丁寧に外していきます。外した瓦は改修後の新しい庇に葺いて、再利用する予定です。
室内の解体工事が始まる前の様子です。
室内の解体工事です。柱、梁は残して、1階の天井板は外しました。黒色の梁やその上の2階の床板は、黒く煤けています。恐らく昔ここは厨房で、土間の釜戸で火が炊かれていたものと思われます。
1階は床組も解体します。
2階の室内の解体の様子です。間仕切り壁、天井板が解体されました。
屋根の野地板、垂木も解体されました。
その後、ブルーシートで雨養生がされました。
解体が完了しました。既存の梁を打診し、腐朽していないか確認をしているのは私です。
床下には井戸や、水を貯えて使用したと思われる水槽がありました。
解体工事の一番初めに外した瓦は、屋根工事をしていただく瀬戸内窯業さんの作業場で、水洗いをして、きれいに汚れを取り除いてもらいました。
瀬戸内窯業の渋谷さんから、この瓦についての謂れの説明におもわず引き込まれました。江戸時代に焼かれたもので、軒先の石持ち(こくもち)、と呼ばれる部分の丸いシンプルなデザインは、当時の家主が瓦屋さんに依頼して作らせたものだとのことでした。どのような経緯で丸亀の家で使われていたのか、想像が膨らむお話でした。
改修工事をしていただく関元工務店さんの加工場では、徳島の親和林業さんから納入された柱、梁材について木目の美しさを見ながらどの部分に使用するかを決めていく、木配りを行いました。
その後、大工の水田さん、川西さんが加工を進められています。
現場では、建物の内部へ重機を入れて基礎工事の掘り方が始まりました。
掘り方が終わりました。
次は、捨てコンクリートの打設です。
着工して、一か月余りでここまでの工事が進みました。
加工場では、加工が完了した土台、柱、梁が現場へ向けて送り出されます。
これらの新しい木が100年近い年月を経た建物の構造体を補強していきます。また、新しく鉄筋コンクリートの基礎を施工し、その上に既存の建物の骨組みを載せていきます。これらの施工は、次回のエムズ日記でご報告します。 ありがとうございました。
鈴木康之