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わせ

Ms ARCHITECTSエムズ建築設計事務所

エムズ日記BLOG

2024.02.17

日々是好日 丸亀の家 実施設計

皆さん、こんにちは。非常勤スタッフの鈴木です。

今回のエムズ日記は、丸亀にある古民家改修の実施設計についてお話します。このプロジェクトは昨年8月に既存建物の詳細調査からスタートし、性能向上を目的とした改修をすべく、エムズ建築設計事務所で設計を進めています。

私は昨年8月からエムズ建築設計事務所で働くことになり、チーフの上野さんから指導を受けながら協同で進めてきましたが、1月からは私が主体的に設計を進めていくこととなりました。そのようなこともあって、私の事務所出勤日を週一日から三日に増やしてもらい、作成した図面は、三澤文子さんから直接チェックを受けることになりました。

前回の日記はこちらからお読みいただけます。

つい先日も、1階の設計事務所の床(土足で使用)を、厚い杉板で朝鮮張りという工法で仕上げることを検討をしていた時に、必然でその工法になるのであればよいが、朝鮮張りという床の張り方を見せるために、下地材の形状まで変えて設計するのはよくない、と指摘をうけました。私がこの床に求めていたのは、土足で歩いても持ちこたえる耐久性や踏みしめた時の安心感、汚れや傷みに対する清掃性や視覚的ラフさ加減でした。それを思い出し、現在は朝鮮張りにはこだわらず、30ミリの厚さの足場板で床を張ることを優先して考えています。

このように事務所への出勤日が増え、気づきが得られることは私にとって幸せなことです。

一方、いま住まいの設計について考えることは、元旦に発生した震災で多くの方が住宅の倒壊によって亡くなったことです。建築に携わる者として、とても悲しく、いたたまれない気持ちになります。我々設計者は、既存の家に安心して住まわれるように、耐震補強に繋がる活動をしていかなければならないと強く思います。

丸亀の家も昭和3年に建てられて、祖父が自転車屋を営んでいたため道路側は開口部ばかりで、耐力壁がありません。詳細調査では、地震により倒壊する可能性が高いという判定結果がでました。

現在、耐震補強について設計を進めています。設計、施工を通して、目的とする耐震補強が、どれくらいのコストや信頼性で、実現できるのかを検証していきたいと考えています。

 

この建物は二軒長屋で、改修後も長屋の状況は続きます。そのためお隣に支障が出ないように、接続部の構造体(骨組み)には細心の注意をもって設計を進めています。

現在、実施設計は、エムズのスタッフに協力してもらいながら進行中です。建物の間取りや外観、内外装の仕上げ材料提案は、上野さんからもらいました。室内の展開図は、濱田さんに。構造図は私が作成し、構造計算はエムズOBの構造設計事務所に依頼します。建物の骨組みを分かりやすく確認するための軸模型は、アラさんと小西さんに。設備図面は、村上さんに。

このように、様々なスタッフが計画建物のことを考え、多様な意見を出し合うことで、一つの建物の設計が出来上がっていくように感じています。

いま、このような日々が私のPERFECT DAYS です。ありがとうございました。

鈴木康之