今年6月17日の地鎮祭からスタートしたこども園の現場では、着々と工事が進んでいます。
本日のMs日記では、軸模型と構造材についてご紹介したいと思います。
Msでは木造の骨格となる構造材を、強固にかつ美しく組み上げることを大切にしています。
そのため、すべてのプロジェクトで1/30のスケールで「軸模型」を製作しています。
建物は木造・平屋建てですが、延床面積が約1100㎡あるため、軸模型はとても大きなサイズになりました!
(事務所の大デーブルからはみ出す大きさです)
園庭をぐるりと囲むように『C型』に建物が配置されています。
手前の「エントランス棟」から時計まわりに、「0・1歳保育室」、「調理室」、大きなボリュームの「遊戯室」、「2・3歳保育室」、「4・5歳保育室」と各棟がゆるやかに角度を振りながら繋がります。
この軸模型を製作したのは、今年Msに入社した小西くるみさん。
約1.5か月の時間をかけて、じっくりと取り組みました。
図面を読み込み、一つずつ手作業で模型を組み上げることで、Msの木造の基本となる考え方を学びながら製作しました。
上写真は、右手前から「4・5歳保育室」「2・3歳保育室」ですが、シンプルな切妻屋根に塔屋が乗っていることが良くわかります。
今回は、『燃えしろ設計』の手法を用いて準耐火建築物として計画しており、茶色のスプレーで塗装した材が、化粧材として室内からみえるJAS材(=150mm巾)となります。
軸模型は、打合せでとても役に立ちます。
特に、遊戯室は10Mを超えるスパンを飛ばすため「樹状トラス構造」を用いていますが、図面だけでは3次元の構成を理解することが難しく・・模型を使うことで打合せがスムーズに進みます。
左手前に映っているのが、『ホルツストラ』の岩田さん。
稲山先生と共に構造設計をご担当頂いております。
プレカットは、写真奥の『しそうの森の木』『兵庫プレカット』の2社の皆さんが担当してくださいます。
今月19日には、遊戯室の仮組を行う予定です!
さて、構造材は、地元の『宍粟(しそう)杉』をふんだんに用います。
宍粟市は、知る人ぞしる杉の林産地で、森林率が90%にも及びます。
ただし、150mmを超える大径木(無垢材)のJAS認定材は入手難で、特別に福島県いわき市より材を仕入れることが出来ました。
上写真は180mm角のJAS材でとても表情がきれいです。
材の加工も始まっています。
上写真は、JAS材である240角の杉柱を、八角加工して頂きました。
こちらは、梁の“台持ち継ぎ”加工の様子です。
『しそうの森の木』では、熟練の大工さんにより、機械加工が難しい材の加工をご担当頂いています。
そして、ちょうどこのMs日記がUPされる9月10日から、いよいよ建て方が始まります!
建て方の様子は、次回のMs日記でご紹介させて頂きます。
上野耕市