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わせ

Ms ARCHITECTSエムズ建築設計事務所

エムズ日記BLOG

2023.11.25

しまなみ海道のまち・瀬戸田を走る

みなさん、こんにちは。非常勤&リモートワークの村上です。11月中旬に上野さんと2人でしまなみ海道の生口島へ行ってきました。この島の瀬戸田には、2021年春にオープンした Azumi Setoda 、豪商・堀内家の邸宅を改修した宿泊施設があります。Ms事務所は空き家になっていた旧堀内邸の詳細調査を行い、その後は六角屋の三浦史朗氏をマスターアーキテクトとして構成された設計チームの一員として、旧堀内邸の改修設計と、客室(Azumi・yubune共)の内装設計にたずさわりました。

上野さんの過去の日記

Azumi setoda・yubune竣工報告① ~木造共用棟(改修工事)~

Azumi setoda・yubune竣工報告② ~内装設計~

設計担当の上野さんは、竣工後も折に触れて瀬戸田を訪れていますが、この日は私も同行し有意義な時間を過ごしました。今回は Azumi Setoda と瀬戸田のまちについて書いてみようと思います。

旧堀内邸の北側に面する通りは瀬戸田港と耕三寺を結び、両側に小さなお店が並んだ「しおまち商店街」です。かつては耕三寺の参道として賑わっていたそうですが、初めて訪れた約5年半前は人通りも少なく、商店街と呼ぶには寂しい通りでした。ところが、旧堀内邸の改修が進み Azumi Setoda がオープンした前後から次々と新しいお店ができて、行くたびに人が増えています。嬉しいことに、瀬戸田のまちを盛り上げる活動の運営を若い人達が担っているため、瀬戸田に集まる人も若い人がとても多くて、活気に満ちあふれています。

左側の蔵は、初めて訪れた時は瀬戸田の歴史資料館(と言ってもほぼ全部堀内家の資料)でした。今はポートランド発の焙煎所を併設した渋いコーヒーショップになっています。

話は変わりますが、Msにはジョギング部があります。私も部員の一人で、リモートワークのため普段は一人でコツコツ走っています。今回瀬戸田に行けるということで、走らない手はありません。Googleマップでおおよそのルートを決め、ウォーミングアップとして Azumi Setoda からしおまち商店街を東へ歩き、耕三寺を過ぎたあたりで南へ山に向かって走り始めました。次は進路を西に取り海へ。海岸線は多くのサイクリストやジョガーがいます。南へしばらく走ると生口島と大三島を結ぶ多々羅大橋が見えてきました。やはり海岸線を走るのは爽快です!

気持ちよすぎて、このままずっと走って行けそうでしたが、雲行きが怪しくなってきて引き返すことにしました。ゴールの Azumi に到着する前にぽつぽつ降ってきた雨に濡れてしまいましたが、全く平気。なぜなら本当のゴールは Azumi Setoda の通りを隔てた向かいにつくられた公衆浴場 「yubune」の浴槽だったからです。

お風呂の入口の戸を開けると、瀬戸田の海をモザイクタイルであらわしたタイル絵が目に飛び込んできました。床と壁のタイルの色や質感が、ポップで可愛らしいモザイクタイルの絵に見事に調和しています。湯船につかりながらキラキラ輝くタイル絵を眺めていると、ジョギングの満足感とお風呂の心地よさで気分は最高。絶対にまた来よう!と決めました。

↑こちらが yubune。銭湯に宿泊施設が併設されています。

今回は久しぶりの再会もありました。詳細調査のときに、暗い客間に光が差し込んで欄間に模様が現れました!よく見るとお茶の道具です。

この一対の透かし彫りの欄間がひと目で好きになり、改修でどうなったのか、ずっと気になっていましたが、 yubune の2F「yuagariラウンジ」で姿を見つけて、これからはここに来たら会えると思いとても嬉しくなりました。

住宅医として詳細調査に参加した建物が、次の世代にしっかり受け継がれるさまを見ると住宅医冥利に尽きます。 瀬戸田では毎年「せとだレモンマラソン」が行われると聞きました。 生口島一周は約24km。ハーフマラソンを走ったことはまだありませんが、生口島を一周できるように練習を続けていこうと思います。みなさんもぜひ瀬戸田へ足を運んで、引き継がれた旧堀内邸をご覧ください。Azumi や yubune にご宿泊して、Msが担当した内装をゆっくりお楽しみいただけると嬉しいです。走るのがお好きな方からのシーサイドランのお誘いもお待ちしております!

Azumi Setoda の前で

村上洋子