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わせ

Ms ARCHITECTSエムズ建築設計事務所

エムズ日記BLOG

2022.03.25

ヒノキキッチンハウスがなぜヒノキなのか?

318日金曜日 奈良吉野の阪口製材専務の阪口勝行さんがMsに来てくれました。ひとしきり仕事の話をして帰られたのですが、帰ってあと「お礼を言うのを忘れていた!」と大反省。お礼というのは、勝行さんのお父さん、阪口製材社長の阪口浩司さんへのお礼の伝言です。
実は、今年2022Msの年賀状の「ヒノキキッチンハウス」では、阪口製材さんに大変お世話になったのでした。

桧キッチンハウス室内

この写真に「ヒノキキッチンハウス」と記載して作成した年賀状に、「杉の家に見えますが、なぜヒノキなのですか?」という質問がありました。実は、この写真に見えるキッチンテーブルの奥の八角柱と、写真では右手手前から2本目の柱。そして薪ストーブの左側の柱。この3本の通し柱がヒノキの柱なのです。それもこの写真に写る住まい手Sさんの<ひいおじいさん>の山のヒノキなのです。

川上村

思い返せば2年前20191129日に、住まい手の親族ともども奈良の川上村へ行きました。そして住まい手のお母さんの従兄弟にあたる山守の東辻さん(オレンジ色の上着の方)と住まい手ご夫妻が立ち木を選び・・・

ヒノキ伐採

そして伐採。その木が3本、今この住まいを支えてくれています。東辻さんが伐採した丸太は、阪口製材の土場に運ばれ、製材され、さらには大工さんが刻んで組み上げてくれたのですが、なんと阪口社長は、丸太市場で東辻さんの山のスギの木も買って、この家の梁を揃えてくれたのでした。

このことは誰も頼んだことでなく、阪口社長のおもいやりであること。それが感激ものなのです。それら吉野川上村の東辻さんのスギの木は、年賀状の写真に見えているほとんどの梁になっています。

桧キッチンハウス夜景

さて、夕暮れのヒノキキッチンハウス。保育園へのお迎えの前に夕飯をササっとつくるSさん。かつて設計打合せの際、妻Nさんの「夫のつくるカレーが一番好き!」という発言がとてもステキだったことを思い出し、キッチンが中心のプランであったこの家を「ヒノキキッチンハウス」と名付けました。ヒノキだけでなく<ひいおじいさん>の山のヒノキやスギに支えられている住まいになっています。

(三澤文子)