Loading...
わせ

Ms ARCHITECTSエムズ建築設計事務所

エムズ日記BLOG

2026.06.27

時を重ねる木の住まい~築12年のミモザの家~

6月中旬、梅雨の合間の晴れた日に、築12年の『ミモザの家』を訪ねました。『ミモザの家』は三澤康彦さんと平賀さんによる設計で、2014年に竣工しました。10年以上も経ちますと、住まい手もつくり手も色々な変化がありますが、メンテナンスのご連絡を頂くのは大変有難いことです。

Msでは、木の住まいを健康に長生きさせていくために、5年・10年と長期にわたるメンテナンスに力を入れています。工務店さんだけでなく、設計者もメンテナンスに立ち合い、経年変化をみながら一緒に補修方法を検討することを大切にしています。

当日は、コアー建築工房の大谷さん・上田さんと共に伺いました。北側接道のお住まいで、西側の駐車場沿いの植栽がバッファーとして効いています。

道路からみた2階の縦格子はとてもきれいな状態です。桧の無塗装ですが、外壁が1ピッチ910mm)凹んでおり、庇が1.5Mかかっています。木材の耐久性まで考え抜かれたファサードです。今後、外壁の一部補修を行う予定ですが、左官材料の情報を記録として残していることが、後々役に立ちます。

内部には、多くの樹種が適材適所に使われています。階段の厚板は「ニレ」、力桁は「ナラ」です! 三澤さん自慢のコレクションだったのだろうなと思います。

リビングからの見返しです。住まい手(Mさん)より、左手前の八角の大黒柱は「セン」、奥の八角柱は「クリ」、1Fフローリングは「チーク」としたことを教えていただきました。奥さまがセレクトされた真鍮のペンダントライトや、オールステンレスのキッチンなど、随所にこだわりが光ります。

「タモ」とアンティークガラスを用いた李朝風デザイン(アミダ格子)の建具は、三澤さんの十八番です!

つぶさに現場をみている間、大谷さんには建具調整などの作業を行っていただきました。(ありがとうございます!) 収納建具も「タモ」です。タモはMsの定番ですが、希少価値が高まり(値段も高まり・・)このようにふんだんに用いることが難しくなってきています。

2Fのバルコニーです。手摺の格子に「ヒノキ」、床板に「サワラ」の厚板が用いられています。紫外線や風雨で“シルバーグレー”に経変変化していますが、材は健全です。一般的に、2Fバルコニーは耐久性の面で弱点になることが多いですが、「吊りバルコニー」で宙に浮かせています。建物(躯体)と縁をきり、水が抜ける設計になっています。表面のカビは薬剤で落とすこともできますが、しばらく様子をみながら使っていただくことになりました。

 今後もできるだけメンテナンスの現場に足を運びたいと思います。

 上野耕市