Loading...
わせ

Ms ARCHITECTSエムズ建築設計事務所

エムズ日記BLOG

2024.10.05

畷のいえ 5年メンテナンスを行いました!

非常勤 & リモートワークの村上です。10月に入りやっと秋らしくなりました。気温が安定しないこの季節、長い酷暑疲れもありますので、みなさまご自愛ください。

Msでは築5年と10年の節目に住まいのメンテナンス点検を行っています。点検結果を元に適切なメンテナンスを行うことで、より安心して暮らしていただくことができ、木の家にも健康で長生きしてもらうことができます。

点検では、内部仕上げの劣化、建具等の不具合、設備の交換時期の目安の確認、外部仕上げの劣化、外構の劣化を確認します。加えて長期優良住宅認定を受けている場合は床下点検が必須になっていますが、認定を受けていなくても、床下点検をおすすめしています。また、同時に住まいのヒアリングを行い、住まい手が気がついた不具合や、修繕、改善したい箇所なども確認していきます。

今回は9月下旬、改修から5年を経た古民家の点検に、堀田さんと2人で四條畷市に行ってきました。天保時代に建てられた、実に築180~190年になる住宅です。

畷のいえ 完成事例紹介はこちら

施工は四條畷の木又工務店さん。MOKスクールの校長でもある木又誠次さんにお越しいただき、住まい手のOさん、Yさんと一緒に建物の内外を確認していきました。

大工さんだけあり高いところはお手のもので、軽々と屋根に登り点検を行う木又さんに「かっこいいー」と言いながら下で見守る私たち。

木又さんは地元を盛り上げるため、20年前にお祭りを始めたそうです。地震で鳥居が壊れてしまった神社に、ひのきの鳥居をつくって奉納したり(すごすぎる)、地域の方たちを巻き込んで活発に活動を続けられています。Yさんも、毎年お子さんと一緒に参加することをとても楽しみにされていて、今年は20周年記念のマグロの解体ショーをたいへん満喫したというお話にも花が咲きました。

また、畷のいえの近くにあるお寺の門の柱のホゾに「天保3年建立」と書かれていたのを見つけて、お隣も天保に建てられたという資料が残っているとのことで、建て方など造りから推測して、畷のいえも同時代に建てられたものだろうというのも、木又さんに教えていただきました。こんなふうに地元に根付いた大工さんによる家づくりができるのは理想で、最高に素敵だなと、お話を聞きながら胸が熱くなりました。

5年前の改修では、藁などが置いてあり物置だった2階に、新しく部屋が作られました。とても可愛らしく気持ちの良い空間です。

この2階の入口はアーチになっていて(上の写真の右奥です)、2階に暮らす背の高いYさんご家族は気を付けていないと頭を打ってしまう、なぜここがアーチなのか…と本音がポロリ。

すると木又さんが、ここには梁が入っていて、その梁を隠すためのデザインなのだと理由を説明、それを聞いて一同みな納得し、Yさんもこの可愛らしい納め方に見る目が変わったようでした。

住まいの点検だけでなく、新しく改善したい箇所のご希望もうかがって、5年点検を終えました。畷のいえにはたくさんの植物が育てられていて、どれも皆スクスクと機嫌よく枝葉を伸ばしています。1種類気になる植物があったので、少し分けていただけませんか?とお願いをすると、どっさり切ってくださいました。

その植物を木又さんがスマホアプリで検索すると「名前はバクヤギク、花言葉は幸福と繁栄を祈ります」ということで、幸福と繁栄をおすそ分けしていただけるように持って帰り、すぐさま事務所に植えました。きっとMsも幸せで繁栄していくに違いありません。

Oさん、Yさんどうもありがとうございました。これからも快適に暮らしていただけるよう、定期的にメンテナンスをさせていただければと思います。木又さん、今後とも畷のいえをよろしくお願いいたします!

村上洋子