奈良での研修〜住み継がれる住宅と庭と
Ms非常勤スタッフの村上洋子です。コロナウイルスによる移動自粛が解除され、6月末に全員で奈良へ研修に行ってきました。愛媛でリモートワークの私には、3ヶ月ぶりの関西でした。
研修場所は、築150年の4年前に改修された武家屋敷。お庭にはさまざまな種類の紫陽花が咲き誇り、建物と庭の見事な調和に、到着した瞬間、心を奪われました。住まい手によると、フランス旅行で泊まった宿の庭にたくさんの紫陽花が咲いていて、その美しさをいつか自分の庭で再現してみたいと思っていたそうです。
白い紫陽花と赤いバラに迎えられました
建物は丁寧に改修され、素材の使い方は今後の設計の参考になりました。根継ぎされた柱と、それに接する和紙の壁は、見ても触っても柔らかく、心が安らぎます。
改修設計をされた一見さんに、一人ずつ質問し、お答えしていただきました。住み継ぐ住宅をつくるためのお話はどれも真摯なものでした。一つ挙げると、壁を抜いた箇所は柱に貫の跡が残るが、柱を新調せず埋木をした。その理由は、後の世代の人達に、元は壁があったことを記しておくためだったそうです。
住まいと庭の圧倒的な一体感は、中庭が部屋の延長になるよう建物に合わせてつくられたためであると教わりました。最近はコロナの影響から自宅で過ごす時間が長くなり、植物や野菜を育て始めた人が多くいるようです。一見さんも住宅を設計する時には、いつか庭仕事がしたくなった時のために、土のスペースを作っておくとおっしゃっていました。
一見さんにお話をうかがう
研修後、せっかく奈良に来たので、いま大人気の「鬼滅の刃」に出て来る場所に行ってみました。コスプレイヤーもよく訪れるそうで、刀が置いてありました(!)それぞれポーズを取り写真撮影。
代表して新入社員の中尾くん
住み継がれる木の住まい、調和した美しい庭、様々な植物や周囲の景色、本当に素晴らしい場所でした。現実には、このように恵まれた条件が揃う場所は、なかなかありません。ですが、ちょっとした工夫で、気持ち良く暮らすことができる住環境は作れるのではないかと思いながら帰路に着きました。そう思えるヒントが多く得られた研修でした。
(村上洋子)