I邸が着工しました<長期優良住宅先導事業―既存住宅等の改修部門>※国土交通省採択事業
7月23日に詳細調査を行った藤井寺市のI邸の解体を始めました。
Msの仕事はいつもスピードがありますが、今回は超スピードと精度で進んでいきます。新協建設とMsと住まい手の三位一体のスクラムでスピードと精度を上げていくことができます。
延床26.7坪の全面リフォーム、約3ヶ月で竣工です!
詳細調査から約1ヶ月後に調査報告と調査を踏まえた改修内容の提案を行い、プレゼンから約1ヶ月後には解体工事を始めました。
その間に、新たなニュースが飛び込んできました。
国土交通省による平成23年度の長期優良住宅先導事業の採択通知です!
「長期優良住宅先導事業―既存住宅等の改修部門」(提案名:性能向上レベルの明確化―木造病理学・「既存ドック」システム3)の提案内容が国交省の補助事業に採択されました。これは三澤文子が代表を務める住宅医ネットワークが採択されたものです。提案名にも「システム3」とあるように今回3度目の採択決定になります。今回のI邸もこの提案内容に沿った改修工事内容になります。
提案内容としては構造躯体の耐久性(劣化対策)/耐震性/維持管理の容易性/省エネルギー対策/バリアフリー性/防耐火性能などがあり、それら1つ1つをクリアしていく必要があります。
たとえ既存住宅の図面があったとしても現場が全てです。改修工事は新築工事と異なり、解体してみてはじめて新たに分かることが多々あります。新築よりも技量が問われるのが、改修工事の現場です。
さて、I邸の解体現場。
内部仕上げがすべて解体され、構造躯体が現れています。この状態で工務店の新協建設の支店長さん、現場監督さん 、大工さん2名、基礎屋さん、MSD構造担当含めた構造補強の打合せを行いました。
現状の基礎は一部を除いて無筋基礎であった為既存基礎に抱き合わせて基礎の補強を行う箇所、既存筋交い(25×90)は構造計算上ないものとして新たに筋交い(45×100)や柱を追加して耐力壁の検討を行うこと、場所に応じては筋交いではなく面材(構造用合板)で耐力を確保することなど、耐震性を確保するための具体的な打合せを行いました。
△2階から床、1階部分を見る
右写真中央部に見えるラチス(黄色の点線部分)を利用し、2階増築部分の耐力を確保します。
これから約3ヶ月改修工事を行い、新たな住まいでIさん一家に新年を迎えて頂く予定です。
「モノ」を目の前にした打合せは効率的で、映像として体に残るので有益なのです。1日パソコンと向き合っているだけだと納まらない図面を書いて、図面を書けた気になってしまいます。現場に行き、大工さんの作業を見て、つくり方を考えた図面を書く、この繰り返しが現場での対応の仕方に違いを生むのだと思います。〝納まる図面〟を書けるよう日々現場です。
(スタッフ:平賀)